瀬戸内寂聴さん、この年でケータイ小説を書く。しかも秘密に作り、ペンネームで投稿

最も困ったことは、「感動が鈍ること」だったという。

 「若いころは3メートル向こうからいい男の子が歩いてくると胸がときめいて、すれ違うだけでドキドキしたものですが、今は天下の美男子が寂庵(瀬戸内寂聴氏の庵)を訪ねてきても感動しない。生きていくことはワクワク、ドキドキすることだと思っているのですが、だんだんと鈍くなる。これが年を取った言うことかと思うと、許せなかった。半分死んだと思うようになりちょっと慌てたんですね。」

 ワクワクとドキドキを忘れた瀬戸内寂聴氏は、感動をよみがえらせるためには「秘密を持つ」という結論に達した。「秘密を持つには恋をするのが一番良いのですけれど、

2人だけの秘密を持つ事が恋のはじまりだ
ってボサさんが言ってたなぁ…

携帯電話とは無縁だった瀬戸内寂聴氏は文字入力すらままならなかったが、練習していることを知られるのも恥ずかしかったという。

そういうもんか

今度は若者言葉に苦戦。ケータイ小説に登場する年代の高校生に見てもらうと「そんな会話使わない」「ダサイ」と散々だった。「『どういう会話するの?』と教えてもらうと、思いも付かない会話なんですね。それを練習して一生懸命覚えました」。また、苦痛だったという横書きの原稿には慣れることができず

初心に帰る